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Express Who You Are! - 2011.09.07 Wed

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知り合いのクライマーがTwitterでこんな呟きをしていた。"あるトークショーで、一般のオーディエンスにクライミングにおける「術」にまつわる話をしたんだけど、その中で、初登した課題(ライン、岩)に名を与え「作品」的に呼ぶことに相当な質問があった。一般には「作品=所有」という先入観があるのだろう。しかしクライミングにおいてはこの図式はあてはまらない。ましてや、初登者に所有しているなどという意識は全くない。むしろ「作品=共有」だろう。この感覚はやはり一般人には説明しきれない。"

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自分自身クライミングが大好きで気がつけば25年もこの遊びを続けているわけだが、この「共有する」感覚がまさにロッククライミングのエッセンスだと思っている。ロッククライミングとは時空を越えた「体験を共有できる」ある意味特殊な遊びだからだ。20年前に先人達によって登られたラインを今我々は同じようにムーブを組み立て登ることができる。先人達の苦労も喜びも、敗北感も達成感も同じように体験できる。フィジカルな面もメンタルな面も。そして20年後のクライマーもまた然りで、同じラインを同じような体験をすることだろう。意識的にしろ、無意識的にしろ、この共有する感覚が根底にあるからこそ、初登した時にはそのラインを他の人にもぜひ登ってもらいたいと思うわけである。「作品=共有」の感覚とはそういうものではないだろうか。だからこそ先人から受け継いだ良きルートやラインを未来のクライマーに繋げていく責任が現在の我々クライマーにはあると強く感じる次第である。そう考えてみると自分自身クライマーとして在るべき姿というのがおのずと見えてくるはずである。

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ところで私はこれまでのクライミング人生の中で何本か初登もしてきたわけだけど、作品という感覚はあまりない。それはボルダリングの初登の方が圧倒的に多いためかもしれない。作品とは作り上げたものという見方をするならば、そのラインを別に自分が作り出したわけではないからだ。使うホールドは何十年、何百年、もしかすると何千年も前からその場所にその岩が現れた時点でそこに存在していたわけで、それを繋ぐムーブもそれらのホールドがある限り、既に存在し続けているわけだ。初登者というのはその既に存在しているホールドとムーブを見出して繋げていく者であり、そこに手を加えて何かを作っているという感覚は私にはほとんど無い。私にとって初登の作業とは登りたい岩のてっぺんに立つための道を見つけ出すこと、その通り方を探り、最前の方法で上まで抜けること。そこに想像活動は多々あっても創造活動は無い。道を探ることが「開拓」であり、その岩の道を我々は「ルート」と呼ぶわけだ。それでもそのラインを「作品」として見るならば、完成に至るプロセスが近い表現方法としてはフォトグラフィーかもしれない。写真家がカメラを通して目の前にある被写体から周りの人には見えていない本質的な側面を切り撮るのに似ている。それを見出す能力は実は登りきる能力と同様に重要なのだと思うわけである。

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そういう意味ではかの有名なボルダープロブレムのミッドナイトライトニングも初登者はRon Kaukであるが、そもそも誰も登る対象として見ていなかったコロンビアボルダーのあの側面にラインを誰よりも先に見出していたYabo (ジョン・ヤブロンスキーね)はスゴいのである。まあもっともラインを見出し、自分自身で最初に登れるのが理想ではあるのだけどね。けどくどいようだけど、そこにラインを見出す能力というのはロッククライマーとしては過小評価してはいけないポイントだと思うわけです。
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表現者としてのエネルギーが溢れるYABO。かっこいいなー。

作品というとクリエーターというイメージがあるのだが、ロッククライミングにおいては表現者と言う方が私にはしっくりくる。つまり上でも触れた「既に存在している岩の道」をいかに通っていくかがロッククライマーがロッククライマーで在る所以であると思うからだ。よって表現者たる者、表現方法に拘りを持って欲しいと思うし、独特の表現方法を実践するロッククライマーはとても魅力的な存在に私には見えるのだ。先に触れたYaboはフリーソロを表現方法として選びJohn BacherやPeter Croftと並ぶ彼らしいぶっ飛んだクライミングを展開し続けた。我が国においても、クライマーですら見えない道を見出し、結果世界最難レベルのラインを登りきる小山田大氏や、ビッグウォールをしかもレッジトゥーレッジでのオンサイトトライという誰も考えた事が無いスタイルで挑んだ平山ユージ氏等は表現者としてずば抜けたレベルとセンスの持ち主だと思う。また以前ロストアローの社長である坂下直枝氏がVERVEのCristian GriffithとコロラドのDiamondを驚くほどのスピードで登りきり、次はアイガー北壁のマルチフリーを駆け上がるように登りたいという話をされていたが、実に豊かな表現力だと感心したものだ。自分らしい登りとは何か、自分の存在を確かなものにできる表現方法とは何か、そんなことをここ数年は意識して自分も登り続けてきた。そしてやはりそんな欲求を満たす登りが出来た時、この体験を共有したいと思ってしまうのだ。

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Rock & Snow 53号が9月6日に発売された。上記のような世界レベルの表現者ではないけれど、自分なりに表現者としてのロッククライミングが少しは出来たかなと思えるラインが表紙を飾り、またその活動エリアが特集の一部に紹介されている。ここからまた体験の共有が広がり、その向こうに新たな表現者がシビレル登りを展開して行って欲しいと願って止まない。

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今はこのすばらしいロッククライミングを娘と妻と出来るだけ共有したいと思っている。

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Let's Go Climbing!

● COMMENT ●

久々に

ブログ読んでいて、膝を打ちたくなる、ああこれだと思える素敵な一文でございました。

僕の人生をMLで変えてくれたロン先生やヤコブ様には生涯感謝しておりますし。
ああ、何も言えない。
やっぱ、ジョニさん官能的ですねーw

SINどの>
コメントありがとうございます。
一般の方には伝わりにくいが、クライミングを続けている人たちには伝えたいことがある。もっともこのブログを見てくれているクライマーの方々にはその必要はないのだけれど、その先のために今書かなければという衝動で一気に書きました。お互い官能的で在り続けましょう!(笑)


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